運送業に特化したITツールはどんなものがある？
運送業でIT導入補助金を活用する際の補助額は？
IT導入補助金を活用したい運送業の担当者も多いでしょう。
しかし、どのようなツールがあり、いくら補助されるのかなどわからない方も多いです。
本記事では、運送業におけるIT導入補助金の活用方法を徹底解説します。
対象者や申請枠、具体的な補助額から申請事例などもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
運送業におけるDXの課題や現状は？
| 運送業の現状 | ・配送管理システム（TMS）やGPSを活用した配送効率化が進んでいる。 ・IoTデバイスによる車両位置情報や配送状況のリアルタイム追跡が普及。 ・人手不足に対応するため、効率的なルート最適化や自動化技術が注目されている。 |
|---|---|
| 運送業の課題 | ・ITツール導入に必要な資金やノウハウが不足している。 ・部署間や取引先間のシステムの統一が進まず、データ連携が困難。 ・従業員のデジタルツール活用スキルが不足している。 |
運送業におけるDXは、配送効率の向上や労働力不足、環境負荷削減への対応として重要視されています。
現状では、GPSや配送管理システムの導入が進む一方、中小企業では資金や人材不足、システム間のデータ連携の難しさが課題です。また、従業員のスキル不足や法規制、サイバーセキュリティへの対応も遅れています。
解決策として、補助金の活用やクラウド型サービスの普及、教育プログラムの充実、データ連携基盤の構築が求められます。
IT導入補助金は、業務効率化や売り上げアップなどのために導入するITツール費用を一部負担。
導入コストを抑え、企業のデジタル化を促進できるため、活用したい補助金です。
運送業でIT導入補助金2025の対象となるITツールは？特化ソフトウェアも紹介
運送業向けのITツールは多数存在します。
ここでは、運送業に特化したITツールと業界問わずよく申請されるソフトウェアを紹介します。
各サービスの特徴もまとめているため、ITツール選定時の参考にしてください。
運送業に特化したITツール。運送管理や配車管理システムなど
運送業で人気のITツールの例を紹介します。
各サービスごとに特徴や機能など異なるため、自社に必要なソフトウェアを選定しましょう。
| ソフトウェア名 | カテゴリ | 特徴 |
|---|---|---|
| LYNA 自動配車クラウド | 配送管理システム | AIによる自動配車、最適ルート選定、リアルタイムの配送管理が可能。 |
| TCloud for SCM | サプライチェーン全体を統合し、在庫・発注・配送を一元管理。データ分析機能も充実。 | |
| TUMIX配車計画 | 配車計画、車両の最適化、効率的な運行管理をサポート。 | |
| LOGI-Cube EXPRESS | 配送業務の効率化を支援し、リソースの最適化とコスト削減を実現。 | |
| クラウド型運送管理システムINFO-Logi | クラウドベースで、配送業務をリアルタイムで管理、物流業務の効率化を支援。 | |
| トラックメイトPro4 | トラック業務を支援する総合管理システム、配車や配送管理機能が強化。 | |
| ジョブカン勤怠管理 | 勤怠管理システム | 簡単な操作で勤怠管理が可能で、スマホ対応でどこからでもアクセスできる。 |
| KING OF TIME | 高度な集計機能、労働時間の自動算出、タイムカードのデジタル化が可能。 | |
| ジンジャー勤怠 | 高機能な勤怠管理、シフト作成や休暇申請など、管理業務を効率化。 | |
| TimePro | 勤怠集計機能が豊富で、労働基準法に基づく法定時間外労働の管理が簡単。 | |
| CYBER XEED就業 | 幅広い勤怠管理機能、シフト作成や勤務状態の把握が容易に行える。 | |
| TUMIXコンプラ | 勤怠とコンプライアンスを管理し、適切な働き方改革を支援するツール。 | |
| Cariot | 配車管理システム | 車両の位置情報管理、走行データの解析、リアルタイムの運行状況把握。 |
| act-sora | 配車業務を効率化するためのリアルタイムでの車両位置確認や情報共有が可能。 | |
| kintone | 業務管理システム | 業務アプリ作成プラットフォーム、カスタマイズが可能で柔軟な業務管理をサポート。 |
| AI-Contact | 顧客対応システム | 顧客対応のAIチャットシステムで、問い合わせ管理やカスタマーサポートを効率化。 |
| モバレポ | 現場報告・進捗管理システム | モバイル端末で現場の報告・進捗管理を効率化、レポート作成や情報共有が容易。 |
運送業に関わらず人気のITツール。会計ソフト
運送業のみならず、会計ソフトなどは人気が高いITツールです。
有名どころだと以下のものが挙げられます。
| ソフトウェア | 特徴 | 別記事 |
|---|---|---|
| 弥生会計 | 中小企業向けクラウド会計ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応。経理作業を効率化。 | 詳細はこちら |
| マネーフォワード会計 | 取引データの自動取得やAIによる自動仕訳機能で経理業務を効率化し、経営状況を可視化。 | 詳細はこちら |
| freee会計 | 中小企業・フリーランス向けクラウド会計ソフト。経理業務から確定申告まで幅広く対応。 | 詳細はこちら |
| 勘定奉行クラウド | 高機能クラウド会計ソフト。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応。AI-OCRで帳票データを自動読み取り。 |
それぞれのサービスの詳細、IT導入補助金の申請方法や具体的な補助額、事例などもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
IT導入補助金2025が活用できる運送業の対象条件
製造業のIT導入補助金の対象者は「中小企業・小規模事業者」です。また、個人事業主も対象。
資本金や従業員数については以下のとおりです。
開業して1年未満の方は申請ができないため、注意しましょう。
| 業種 | 資本金 | 従業員 |
|---|---|---|
| 運輸業 | 3億円 | 300人以下 |
運送業で申請できるIT導入補助金2025の枠は？補助率や補助額など紹介
申請枠は5つありますが、基本的に運送業で申請されるのは以下の2つがほとんどです。
・通常枠
・インボイス対応類型
運送業に特化したITツールは通常枠での申請が多く、「会計・受発注・決済」機能を含むITツールはインボイス対応類型となります。
それぞれの補助額や条件などまとめているためチェックしてみてください。
通常枠：運送業に特化したITツール申請。配車管理や運送管理など
| 項目 | 通常枠 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2〜2/3 |
| 補助額 | A類型：5~150万円未満 B類型：150~450万円以下 |
| 必要プロセス | A類型：1つ以上 B類型：4つ以上 |
| 賃上げ目標 | A類型：加点 B類型：必須 |
| 対象経費 | ・ITツールの費用(最大2年) ・導入関連費(保守管理なども含む) |
通常枠の補助率や補助額、対象経費などは上記のとおりです。
業務プロセスは以下の7つがあり、本記事で紹介したソフトウェアなら基本的に申請が可能です。
業務プロセス
① 顧客対応・販売支援
② 決済・債権債務・資金回収管理
③ 供給・在庫・物流
④ 会計・財務・経営
⑤ 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
⑥ その他業務固有のプロセス
⑦ 汎用・自動化・分析ツール
※⑦単体は不可
ITツール導入に伴った活用方法やマニュアル化のための費用なども対象です。
同時に会計・決済ソフトなどを申請する場合は、通常枠での申請となるため注意しましょう。
インボイス対応類型：運送業で会計や決済、受発注ソフトの申請
| 項目 | インボイス対応類型 |
|---|---|
| 補助率 補助額 | 【小規模事業者】 ・50万円以下：4/5 ・50〜350万円以下：2/3 【中小企業者】 ・50万円以下：3/4 ・50〜350万円以下：2/3 ※50万円以下は1機能、 50〜350万円は2機能以上を有するのが必須 |
| 【PCやタブレット】 10万円以下：補助率1/2 【レジや販売機】 20万円以下：補助率1/2 | |
| 対象経費 | ・ITツールの費用(最大2年) ・導入関連費(保守管理なども含む) ・ハードウェア(PCやタブレットなど) |
インボイス対応類型の補助率や補助額、対象経費は上記のとおりです。
補助率は通常枠よりも高く、パソコンなども対象経費となります。
運送業において、基本的な業務効率化のITツールをすでに導入しており、会計ソフトなどを申請したい方はこちらがおすすめです。
採択率も90%以上なので、ぜひ検討してください。
運送業でIT導入補助金を活用した事例
運送業でIT導入補助金を活用した事例を3つ紹介します。
運送業向けのITツールは通常枠での申請。
会計ソフトや決済ソフトなどはインボイス対応類型での申請が一般的です。
具体的な申請額や補助額をまとめているため、参考にしてください。
運送業の申請事例①
通常枠
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| LYNA 自動配車クラウド | 1,200,000円/2年間 |
| ジョブカン勤怠管理 | 52,800円/2年間 |
| ジョブカン給与計算 | 52,800円/2年間 |
| 導入サポート | 500,000円 |
| 保守サポート | 600,000円 （5万円x12か月） |
| 合計の申請額 | 2,405,600円 |
| 合計の補助額 | 1,202,800円 |
| 実費 | 1,202,800円 |
運送業の申請事例②
通常枠
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| TUMIX配車計画 | 403,200円/2年間 |
| Kintone スタンダードコース | 43,200円/2年間 |
| KING OF TIME | 216,000円/2年間 （従業員30名計算） |
| 導入サポート | 600,000円 |
| 保守サポート | 600,000円 （5万円x12か月） |
| 合計の申請額 | 1,862,400円 |
| 合計の補助額 | 931,200円 |
| 実費 | 931,200円 |
運送業の申請事例③
インボイス対応類型
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| freee会計 スタンダード | 215,520円/2年間 |
| 導入サポート | 300,000円 |
| 保守サポート | 360,000円 （3万円x12か月） |
| パソコン購入 | 200,000円 |
| ソフトウェアや導入関連費の補助額 | 639,235円 |
| パソコンの補助額 | 100,000円 |
| 合計の申請額 | 1,075,520円 |
| 合計の補助額 | 739,235円 |
| 実費 | 336,285円 |
運送業でIT導入補助金2025を活用してITツールを導入するメリット
運送業でIT導入補助金を活用してソフトウェアを導入するメリットは主に以下の5つです。
・導入コストの削減
・業務効率化
・データ連携の強化
・環境負荷削減
・従業員スキル向上
IT導入補助金を活用することで、初期費用を抑えながら配送管理システムやGPSの導入が可能です。
業務効率化を図り、システム統一によるデータ連携の強化や効率的な運行管理による環境負荷削減ができます。
また、教育プログラムを活用して従業員のデジタルスキルを向上させ、持続可能で競争力のある事業運営を支援します。
まとめ
運送業では、配送管理システムや勤怠管理ソフト、会計ソフトなど、多様なITツールを活用することで業務効率化やコスト削減が可能です。
IT導入補助金を利用すれば、初期費用の一部を補助してもらえます。データ連携や環境負荷削減、従業員スキル向上といった効果も得られるでしょう。
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