個人事業主でもIT導入補助金は申請できる?
フリーランスでパソコン購入にIT導入補助金は活用できる?
IT導入補助金を活用したい個人事業主の方も多いでしょう。
結論、個人事業主もIT導入補助金を活用することは可能です。ただし、申請条件もあります。
本記事では、個人事業主でIT導入補助金を申請する際の条件やパソコン購入の方法、必要書類などを解説します。
また、個人事業主の方で申請する際の注意点や申請サポート費用の相場についてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
IT導入補助金は個人事業主(フリーランス)でも申請可能!

個人事業主(フリーランス)の方もIT導入補助金を活用することはできます。
ここでは、申請枠ごとの補助率や補助額、申請条件、パソコンの購入方法についてまとめているためぜひチェックしてください。
IT導入補助金2025とは?各申請枠の補助率や補助額など紹介
IT導入補助金2025は以下5つの申請枠があります。
申請枠ごとに補助率や補助額、対象経費をまとめました。
基本的には、通常枠・インボイス対応類型での申請がメインとなるため、チェックしてください。
項目 | インボイス対応類型 | |
---|---|---|
補助額・補助率 | 会計・受発注・決済ソフト | 【小規模事業者】 ・50万円以下:4/5 ・50〜350万円以下:2/3 【中小企業者】 ・50万円以下:3/4 ・50〜350万円以下:2/3 ※50万円以下は1、50〜350万円は2機能以上を有するのが必須 |
PCやタブレット | ・10万円以下:1/2 | |
レジや販売機 | ・20万円以下:1/2 | |
対象経費 | ・ソフトウェア 会計・受発注・決済ソフトウェアの「購入費」「クラウド利用費(最大2年分)」 ・オプション ・導入関連費 ・ハードウェア |
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応を促進し、適格請求書の発行・受領・管理に関する業務のデジタル化を支援するための申請枠です。
「会計・受発注・決済ソフト」はもちろん、パソコンやタブレットなどのハードウェアも対象経費となります。

IT導入補助金2025の個人事業主(フリーランス)の申請条件
個人事業主のIT導入補助金の申請条件は以下のとおりです。
業種 | 従業員 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
また、後ほど詳しく解説しますが、開業1年未満の方は、対象外となるため注意してください。

インボイス対応類型での申請でパソコン購入はできる。レジも可能
個人事業主でIT導入補助金を活用してパソコン購入を検討している方は、「インボイス対応類型」での申請が必須です。
インボイス対応類型は、「会計・決済・受発注ソフト」の導入に活用できる申請枠です。
パソコンはもちろん、タブレットやレジなどハードウェアの導入も対象経費となります。
補助率は50%で、最大補助額は以下のとおりです。
パソコン・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 | 最大補助額10万円 |
---|---|
POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機 | 最大補助額20万円 |
パソコン含むハードウェア単体での申請はできず、上記3つのソフトウェアと一緒に申請する必要があります。
また、パソコンの購入は支援事業者経由での購入になるため、先に購入しているパソコンや別の場所で購入した場合は対象外となるため注意しましょう。

IT導入補助金申請で個人事業主(フリーランス)が準備しなければいけない必要書類

IT導入補助金の申請に伴い個人事業主で準備すべき書類は以下のとおりです。
・身分証明書類
運転免許証、運転経歴証明書、または住民票の写し(住民票の場合は発行から3か月以内)のいずれかが必要です。
・所得税の納税証明書
税務署が発行した直近分(最新年度分)の「所得税納税証明書(その1もしくはその2)」が必要です。
※税務署発行のものであることが必要で、領収書では代替できません
・所得税の確定申告書控え
税務署に提出済みである直近分、令和6年分(2024年分)の確定申告書B第一表の控えが必要です。税務署の受付印(収受日付印)や受付番号・日時の印字、あるいはe-Taxの受信通知メールなどによって税務署に受領されたことが分かるものを準備してください。
個人事業主(フリーランス)のIT導入補助金の申請方法は?具体的な手順を紹介

個人事業主でIT導入補助金を申請する流れをまとめました。
事前に準備できるものもあるため、スムースに申請するためにチェックしてください。
①導入するITツールと支援事業者を選定する
②gBizIDプライムアカウントを取得する
③SECURITY ACTIONの宣言をする
④交付申請・決定
⑤ITツールの発注・契約・支払い
⑥事業実績報告
⑦補助金交付手続きと事業実施効果報告
申請手順1. 導入するITツールと支援事業者を選定する
IT導入補助金は、あらゆるITツールが対象となるわけではなく、業務効率化や生産性向上が見込めるツールのみが対象となります。
そのため、まずは公式サイトで導入を検討しているITツールが補助対象なのかを確認しましょう。
また、申請は個人事業主単独では行えず、IT導入支援事業者を通じて申請することになります。
支援事業者は、補助金申請のサポートを行う企業であり、登録されたITツールを提供する企業でもあります。選定の際には、導入後の業務改善や補助金申請のサポートを受けられるかどうかを考慮しながら、適切な事業者を選びましょう。
申請手順2. gBizIDプライムアカウントを取得する
IT導入補助金を申請するためには、行政サービスを利用するための共通認証IDである「gBizIDプライム」の取得が必須です。
公式サイトから申請を行い、必要事項を入力した上で本人確認書類を郵送します。審査には通常1〜2週間程度かかるため、申請を決めたら早めに取得手続きを行うことが重要です。
またマイナンバーカードを持っていれば、オンラインでの申請もでき、最短即日発行が可能です。
アカウントが発行されると、補助金の申請システムにログインできるようになります。
申請手順3. SECURITY ACTIONの宣言をする
IT導入補助金を申請するためには、情報セキュリティ対策を推進する「SECURITY ACTION」の宣言が求められます。
これは独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が提供する制度であり、企業や個人事業主が情報セキュリティに取り組むことを宣言するものです。
公式サイトから簡単に申請ができ、メールで送られてくる自己宣言IDが必要になるため保存しておきましょう。
申請手順4. 交付申請・決定
IT導入補助金の申請は、支援事業者と連携して行います。
事業計画や導入するITツールの詳細、補助金申請額などをまとめた申請書を作成し、gBizIDを使用して「IT導入補助金マイページ」にログインして申請を実施。
申請時には、本人確認書類(運転免許証など)、納税証明書(所得税納税証明書)、確定申告書の控えの書類を提出する必要があります。
申請後は審査が行われ、通常は数週間から1か月程度で交付決定の通知が届きます。交付決定前にITツールの契約や支払いを行うと補助金が受け取れなくなるため、必ず交付決定を待つようにしてください。
申請手順5. ITツールの発注・契約・支払い
交付決定通知を受領した後、IT導入支援事業者と契約を締結し、ITツールを発注します。
この際、導入費用は全額自己負担となり、補助金は後払いで支給される仕組みとなっています。
契約締結後にITツールの納品や設定が進められるため、契約書や領収書をしっかりと保存し、実績報告に備えましょう。
申請手順6. 事業実績報告
ITツールの導入が完了したら、「事業実績報告」を行います。
実際に導入したITツールが適切に活用されていることを証明するための手続きであり、契約書や領収書、ツールの利用状況を示すスクリーンショットなどを提出する必要があります。報告はIT導入補助金のマイページから行い、審査が完了すると補助金の支給が確定。
実績報告を期限内に提出しないと補助金が受け取れなくなるため、ITツールの導入後は速やかに報告手続きを行いましょう。
申請手順7. 補助金交付手続きと事業実施効果報告
事業実績報告が承認されると、補助金の交付手続きが開始され、通常1~3か月後に指定口座へ振り込まれます。
そのため、補助金が支給されるまでのキャッシュフローを考慮しましょう。
その後、一定期間が経過した後に、ITツールの導入による業務改善効果を報告する「事業実施効果報告」を行います。補助金の適正な活用を確認するためのもので、売上向上や業務の効率化など、導入による成果を示すものです。
補助金を受け取った後も、これらの報告義務があるため、事業の成果をしっかりと記録しておきましょう。
個人事業主(フリーランス)がIT導入補助金を申請する際の注意点

個人事業主でIT導入補助金を申請する際に注意すべきポイントを紹介します。
・開業1年未満は申請ができない
・パソコン購入はインボイス対応類型での申請が必須
・申請枠によってスケジュールが異なる
・IT導入補助金2025でホームページ作成はできない
・全てのITツールが対象ではない
・ITツールの導入費用は先払いしなければいけない
・申請にはIT導入支援事業者のサポートが必須
開業1年未満は申請ができない
開業して1年経っていない個人事業主の方はIT導入補助金を申請できません。
理由としては、「所得税の納税証明書」「所得税の確定申告書控え」の準備ができないためです。
そのため、個人事業主で申請するためには開業して1年以上経っており、上記2つを準備しなければいけません。
パソコン購入はインボイス対応類型での申請が必須
個人事業主でIT導入補助金を活用してパソコン購入をするためには、「インボイス対応類型」での申請が必須です。
インボイス対応類型は「会計・決済・受発注ソフト」の導入に活用できる申請枠で、例えばfreeeやマネーフォワードを検討している方となります。
そのため、パソコン単体での申請がきないため覚えておきましょう。
申請枠によってスケジュールが異なる
IT導入補助金は申請枠ごとにスケジュールが異なります。
例年、通常枠・インボイス対応類型での申請がほとんどですが、スケジュールはもちろん実施回数もバラバラです。
以下、2025年度のスケジュールをまとめているため申請漏れがないようにチェックしてください。
スケジュールの表をパターンで作成する

IT導入補助金2025を活用したホームページ作成はできない
IT導入補助金2025では、ホームページ制作は補助対象外となっています。
IT導入補助金の目的は、業務効率化・生産性向上に寄与するITツールの導入支援です。ホームページは、一般的に企業の情報発信や集客のために作成されますが、直接的な業務効率化にはつながりにくいため、補助対象から除外されています。
ちなみに、ホームページ作成は2022年度まで、ECサイトに関しては2023年度まで補助対象でした。
全てのITツールが対象ではない
IT導入補助金は全てのITツールを申請できるわけではなく、業務効率化やDX推進に寄与するITツールが対象となります。
もっとも簡単な調べ方は、公式サイトでITツール検索を行い、表示されれば対象です。
また、(株)CAREARCで登録しているITツールの一覧を以下にまとめているため、導入を検討しているITツールがあるかチェックしてみてください。

ITツールの導入費用は申請者が先払いしなければいけない
IT導入補助金は、申請者(中小企業・個人事業主)がITツールの導入費用を先払いする必要があります。
そのため、資金繰りに余裕をもって検討しなければいけません。
また、交付決定前にITツールの契約・支払いをしてしまうと補助金の対象外となるため注意しましょう。
目安として、申請から交付決定まで約2〜3ヶ月かかります。
例として、インボイス対応類型での申請シミュレーションを紹介します。どれくらいの費用がかかるのかの参考にしてください。
インボイス対応類型での申請
項目 | 金額 |
---|---|
マネーフォワードクラウド スモールビジネス | 71,520円/2年間 |
導入サポート | 300,000円 |
保守サポート | 360,000円(3万円x12か月) |
PC購入 | 200,000円 |
ソフトウェアや導入関連費の補助額 | 571,013円 |
PCの補助額 | 100,000円 |
合計の補助額 | 671,013円 |
実費 | 260,507円 |
申請にはIT導入支援事業者(ベンダー)のサポートが必須
IT導入補助金の申請は、支援事業者(ベンダー)と協力する必要があります。
IT導入支援事業者は、公式サイトで検索することができます。
また、「IT導入補助金 検討しているITツール」で検索すれば対象のソフトに対応している支援事業者を見つけることも可能です。
弊社は2020年度から支援事業者として累計500社以上の申請サポートを行ってきた実績があります。
2024年度は200社以上、採択率も93%以上の実績もあるため、ぜひお気軽にご相談ください。

個人事業主(フリーランス)でIT導入補助金申請にかかる費用は?

IT導入補助金の申請は支援事業者に依頼しなければいけませんが、報酬額のパターンは主に以下のとおりです。
・成功報酬+着手金
・成功報酬のみ
・固定報酬
成功報酬は、補助額の〇〇%を支払うもので、目安は約20%前後。着手金は、支援事業者に依頼した際に支払うもので、目安5〜10万円ほどです。
支援事業者によって報酬パターンは異なり、サポート内容も異なります。
申請イメージ(通常枠:補助率1/2の場合)
ITツール導入費用や導入・保守サポート費用 | 補助額 | 自己負担額 | 申請代行費用 | 合計コスト |
---|---|---|---|---|
100万円 | 50万円 | 50万円 | 10万円 | 70万円 |
200万円 | 100万円 | 100万円 | 20万円 | 120万円 |
300万円 | 150万円 | 150万円 | 30万円 | 180万円 |
※申請代行費用は成功報酬20%を想定。
(株)CAREARCでは、着手金0円の成功報酬方で申請サポートを行っています。採択された場合のみ、金銭が発生するため、お気軽にご相談・お問い合わせください。
IT導入補助金の申請を検討している個人事業主(フリーランス)の方はCAREARCへお任せください!

個人事業主でIT導入補助金の申請方法や条件、注意点などをまとめてきました。
開業して1年以上かつ、「商業・サービス業」の場合は従業員が5名以下、その他に関しては20名以下が対象となります。
またパソコン購入はインボイス対応類型での申請がマストです。
(株)CAREARCは、2024年度200社以上の申請サポートを行い、採択率は93%以上の実績があります。
中小企業はもちろん、個人事業主・フリーランスの方の申請サポートも経験豊富です。
さまざまなITツールにも対応しており、着手金は0円なので、お気軽にご相談ください。