「ショートドラマって広告効果ある?」
「ショートドラマの作り方のコツとは?」
ここ数年で一気にエンタメの一つとなった“ショートドラマ”。
Z世代を中心に流行っており、企業が広告としてショートドラマを採用しているケースも多いです。Tiktokに投稿し、それが売上に繋がったケースも多くあります。
そこで今記事ではショートドラマは広告効果あるのか?ということについて徹底解説していきます。
ショートドラマ広告が増えている現状とトレンド

近年、TikTokをはじめとするSNS上で「ショートドラマ」形式の動画コンテンツが爆発的な人気を集めています
TikTokでは「#ショートドラマ」の累計再生回数が1000億回に登る勢いにあり、2024年上半期のTikTok流行大賞では「ショートドラマ」が大賞を受賞するほど注目です。
InstagramのリールやYouTube Shortsでも同様の傾向が見られ、縦型の短編ドラマ作品が次々と投稿されています。
人気の秘密はスマホで手軽に1~3分程度の物語を視聴できて、縦画面のままドラマを楽しめます。
このフォーマットは、従来のテレビドラマ並みの本格的な演出を凝縮している点も特徴です。
Z世代の新しいエンタメとして「ショートドラマ」が流行ってる

特にZ世代を中心に、「暇つぶし」に最適な短尺エンタメとして定着しつつあります。
一方で企業のマーケティング手法としてもこのショートドラマ広告への注目が急上昇中です。
背景には、企業発の露骨な宣伝メッセージが嫌われやすくなっている傾向に。とりわけZ世代は「押し付けがましい」広告に敏感で、企業SNSから一方的に商品アピールされることを敬遠しがちです。
物語仕立てのショートドラマは“広告っぽさ”を抑えつつ、商品やサービスの魅力を伝えられる手法として脚光を浴びています。
2021年頃から日本でも専門の制作チームが登場し始め、世界的な賞を受賞する作品や何億回も再生されるヒット作が次々に生まれています。
専用の縦型ドラマ配信アプリまで登場し、プロのクリエイター集団やテレビ局までも参入する状況。まだまだ序章で今後ショートドラマがもっと流行るのは間違いないでしょう。
縦型ショートドラマの専用アプリについてはこちら↓

ショートドラマ広告にプロモーション効果はある?

結論から言いますと“あります”。
物語仕立てのショートドラマを広告に活用することで、従来型の広告では得られにくい様々な効果があります。
ショートドラマ広告でエンゲージメント(反応)の向上
ショートドラマは視聴者の心を掴みやすく、いいね・コメント・シェアといったユーザーからの反応が非常に活発になります。
1,000万回以上再生された動画に約6,000件を超えるコメントが寄せられることもあり、多くの視聴者から共感の声が上がることも。
物語に対して「泣けた」「感動した」など感情を動かされたコメントが増えることで、通常の広告動画では考えられないほどユーザーとの双方向コミュニケーションが生まれるのです。
ショートドラマ広告で視聴維持率・滞在時間の増加
ストーリーへの没入感により、冒頭で離脱されず最後まで視聴される確率が高まります。
TikTokではつまらないと感じれば数秒でスワイプされますが、ショートドラマは続きが気になってついつい最後まで見てしまいます。
結果として動画の平均視聴時間が伸び、Tiktokを初めとした動画サイトのアルゴリズム上も有利に働いておすすめフィードに載りやすくなる傾向があります。
一度ヒットすると伸び続ける広告となり、プロモーション効果が高いです。
ショートドラマ広告でUGC(ユーザー生成コンテンツ)や自発的な拡散の誘発
ショートドラマの内容に視聴者が共感し盛り上がると、SNS上で自発的に感想や関連投稿が行われやすくなります。
サントリーの若年層向けショートドラマでは、視聴者からお酒にまつわるエピソードを募集して公開する施策を同時展開し、ユーザー参加型の盛り上がりを生みました。
結末に対する議論や考察がコメント欄や他SNSで交わされることで二次拡散が起こり、自然発生的なリーチが飛躍的に増加するケースも多いです。
ショートドラマ広告でコンバージョンや行動喚起の効果
エンタメとして楽しんだ視聴者は、ブランドへの好感を抱きやすく、その後の行動にも繋がりやすい傾向に。
実際に、TikTokでショートドラマ広告を展開した日本航空(JAL)は、狙いだった沖縄離島路線の航空券予約数が前週比で最大400%に急増したとのこと。JALのショートドラマの事例↓
物語を視聴したユーザーをキャンペーン参加や商品サイト訪問へ誘導する導線を用意することで、このように直接的な売上効果が得られる可能性もあります。
また、ブランディング効果も見逃せません。
ある調査ではZ世代の約86%がショートドラマ形式の広告に対してポジティブな印象を持っているとされ、広告への抵抗感が薄いぶんブランドメッセージを素直に受け入れてもらいやすいです。
実際にNTTドコモではショートドラマ施策によりZ世代の44%が公式TikTokアカウントを認知するようになり、企業好感度の向上につながったという事例もあります。
このようにショートドラマ広告は、エンゲージメントから認知拡大、さらには購買行動まで幅広く効果を発揮する新手法として期待されています。
ショートドラマ広告のメリット。プロモーションにどんな効果がある?

では実際にショートドラマを広告として活用した時のメリットについて紹介します。
通常の広告と比べてどんなプロモーション効果があるのか?など詳細に解説していきます。
ドラマへの没入感が高く、広告臭を感じさせにくい
ストーリー仕立てのショート動画は視聴者の注意を惹きつけ、物語世界に没頭させる力があります。
「〇〇の商品はココがすごい!」と直接訴求しなくても、ドラマに引き込むことで自然にブランドメッセージを届けられます。
視聴者にとっては「広告を見せられた」というより「面白い動画を見た」という体験になるため、拒否反応が起きにくいのが利点です。
特にZ世代からはショートドラマ形式の広告は好意的に受け入れられやすいとされ、エンタメと広告のハイブリッドなアプローチとして機能する傾向にあります。
ドラマに感情移入や共感を誘発しやすい
短いとはいえドラマには登場人物やストーリーがあります。
視聴者はキャラクターの体験や心情に共感しやすく、それがそのままブランドへの共感に繋がります。
感動系のストーリーで視聴者を涙させたり、あるいはあるあるネタで「わかる!」と共感させたりと、感情を動かすマーケティングが可能です。
商品やサービスがその物語の中で重要な役割を果たせば、視聴者も「○○のおかげで解決したんだね」といった形でブランドに良い印象を持つでしょう。
例えば喧嘩の仲裁にアイスが役立ったなら、〇〇のアイスにポジティブな印象がつき、ついつい買いたくなってしまいます。
SNSでシェアされやすくバズりやすい
面白いドラマや感動的なドラマは、人に教えたくなるもの。
ショートドラマ広告はSNS上で共有・拡散されやすく、広告主が出稿した以上の二次拡散効果が期待できます。
通常のドラマとは違い、短尺だからこそおすすめされた側もぱっと観れるのもポイント。
特に物語の結末で強い印象や驚きを与えることで、「この結末は予想外だった!」と視聴者が友人にすすめたりコメントしたりしやすくなります。
さらにシリーズものにして「続きが気になる!」とさせれば、自発的にフォロワーになって次回作を待つユーザーも増えます。
企業側が狙ってバズを生み出すことも可能だと言われるほど、拡散力の高いフォーマットなのです。
ブランドメッセージを深く伝えられる
ショートドラマは数分間の尺があるため、従来の15秒CMなどに比べて伝えられる情報量が多いという利点もあります
商品の機能説明やサービスの利点も、物語の中であれば無理なく盛り込むことができます。
例えばJALの事例では、2本合わせて約5分間のドラマの中に観光地の魅力や移動手段としての飛行機の価値を織り交ぜ、通常の広告以上に丁寧にメッセージを届けています。
また視聴者の属性に合わせてストーリーの題材や登場人物を設定できるため、ターゲットに刺さる演出を自在に行える柔軟性もメリットと言えるでしょう
このようなカスタマイズ性の高さは、画一的なマスメディア広告にはない強みです。
一度バズれば広告費よりも安い
良質なショートドラマは広告予算をかけずとも勝手に再生数が伸びていきます。いわゆるオーガニックな視聴で大量のリーチを獲得できる点は、広告費対効果の面でも魅力的です。
一度バズれば長期間にわたり再生され続け、公開後もじわじわと視聴が積み上がるロングテールの効果も期待できます。
フォロワーが増えれば次回以降の発信も届きやすくなり、企業アカウントの資産価値も高まるでしょう。
ショートドラマ広告のデメリット。マイナス面も解説

魅力の多いショートドラマ広告ですが、一方で導入にあたって考慮すべき課題やリスクも存在します。
どんなことがマイナスなポイントになりそうかを解説していきます。
通常のショート動画よりも制作コストが高め
ショートドラマの最大のハードルは制作コストかもしれません。
短い動画とはいえ、脚本作成からキャスティング、撮影、編集までプロの映像制作プロセスが必要であり、一般的なショート動画より予算がかかります。
一人で済むショート動画とは違い、キャストの日程などもおさえる必要があるのもポイントです。
具体的な費用相場はピンキリですが、数百万円規模の投資になるケースが多い傾向にあります。
制作するリードタイムが長い
ショートドラマ広告は企画から公開までそれなりの時間が必要。流行の波に素早く乗るようなリアルタイム性は低く、綿密な準備が不可欠となります。
脚本のブラッシュアップに始まり、撮影日程の調整や編集・仕上げなど工程が多いため、数十秒のCMを作るよりスケジュールに余裕を見なければなりません。
投稿頻度が命のSNS運用において、一本の大作に時間をかけすぎると他の発信が滞るリスクも。
したがってショートドラマ投入のタイミングや頻度は、マーケティング全体の計画と整合させましょう。
ショートドラマ制作の専門性が必要
SNS向けの短尺動画とはいえ、ドラマを作るには専門スキルが欠かせません。
映像ディレクションや脚本のノウハウが社内に無い場合、信頼できる制作会社やクリエイターと組む必要があります。
その分コミュニケーションコストも発生しますし、完成までクオリティを担保できるか不安も伴います。
「バズった動画を量産しているチームに依頼したら安心」という見方もありますが、制作パートナー選定を誤ると思ったような成果が出ないことも。
加えて企業側の意向を入れすぎるとクリエイターの持ち味が殺されてしまい、作品の魅力が半減するリスクもあります。広告主と制作者の協働体制をうまく築けないと、本来のショートドラマの良さを発揮できないのはデメリットの一つです。
広告効果で成功したショートドラマの事例

実際に企業がショートドラマを作ったことにより、認知が広がったり、売上が上がったりする事例があります。
ここでは実際にどのようなショートドラマがどんな効果を生んだのかを解説していきます。
JAL:旅する度(久米島)
よく使われる成功事例として、久米島を舞台としたJALのショートドラマ2本。
公開後1か月で2本合計1,000万回以上再生された爆発ヒットを生みました。また、同タイミングでTwitter(X)連動のクイズキャンペーンと相まって航空券予約数が急増(最大400%増)した成功事例。
更にすごいのがTikTok内で獲得した興味を別媒体の施策(クイズ企画)へとシームレスにつなげ、視聴者の行動変容まで誘導しました。
ショートドラマって広告効果あるの?というのを思いっきり体現した事例となります。
コーセーコスメポート:告られたガール
化粧品メーカーのコーセーコスメポートは、日本テレビのTikTokドラマアカウント「毎日はにかむ僕たちは。」とタイアップしてショートドラマ。
胸キュンな恋愛ストーリーの中で自社コスメをさりげなく登場させる手法で、2024年10月時点で4本の動画合計1,80
自社アカウントではなく既存の人気ドラマ枠とコラボすることで、大量のオーガニック視聴を獲得した良い事例です。
認知度の高いプラットフォームにブランドが寄り添う形で露出するため、「押し付け感ゼロで商品PRできる」として話題になりました。
パーソル:働くことの意味
人材サービス大手パーソルが自社TikTokで連載した「働くことの意味」を問うショートドラマ。
前後編の2部構成で展開し、合わせて2,400万回以上再生というメガヒットを達成しました
前編ラストを続きが気になる引きで終わらせ、視聴者に「早く後編を見たい!」と思わせる巧みな構成が成功要因の一つです。
結果としてアカウント開設から1年で約18万人のフォロワーを獲得し、若年層へのブランド認知度が飛躍的に向上しました。
SNSドラマ施策の経済合理性を示す事例であり、認知度を取りたい企業におすすめの事例となります。
広告効果を最大化するショートドラマ制作のポイント

ショートドラマの魅力がわかった所で、どんなふうに作ればいいのか?知りたい方も多いはず。
ショートドラマ広告でしっかり成果を出すためには、通常の動画広告とは異なる工夫や戦略が求められます。
視聴者に楽しんでもらいながら、きちんと広告の役割も果たすコンテンツを作るにはどんな点に気を付ければよいか、主なポイントをまとめます。
作り方のコツ① 共感されるストーリー設計
ここでミスをしたら駄目なのが土台となる脚本です。
ターゲットとなる視聴者像を明確にし、その人たちの日常や悩みに寄り添ったテーマを選びましょう。
「自分のことみたい」「友達にもこういう人いる」と思ってもらえれば成功です。
特にZ世代向けには恋愛・学校・青春・家族といった普遍的なテーマが刺さりやすい傾向があります
ストーリー自体の面白さは当然必要ですが、あくまで広告としての目的ががあるので、企業メッセージとの接点も意識します。
単にウケる話を作るのではなく、自社の商品・サービスが物語の中で価値を発揮するようプロットに組み込むことが重要です。
視聴後に「そういえばこれ、○○のPR動画だったんだ」と気付くくらい自然な絡め方を目指します。
企業担当者からクリエイターに要望を伝える際も、「このシーンで無理やり商品を見せてほしい」ではなくストーリーに沿った活かし方を一緒に考える姿勢が大切です
作り方のコツ② CTA(コールトゥアクション)の設計
広告としてドラマを作るため、エンタメとして楽しませたあと、視聴者に次に取ってほしい行動を促すことも忘れてはいけません。
ショートドラマ本編内では物語に集中させ、直接的な販促メッセージは控えるのが望ましいですが、エンディングや投稿キャプションでCTAを提示することは可能です
例えば動画の最後に「◯◯の詳細はコメント欄へ↓」とテロップを出したり、投稿文に商品ページへのリンクやクーポン情報を記載したりします。
またシリーズものの場合、「○日後に後編公開!見逃さないようフォローしてください」とフォロー喚起するのも効果的です。
つまり、視聴者の心を動かした直後に、スムーズに次のマーケティング施策へ繋げる導線を用意しておくことが大事です。
せっかく感動してもらっても、そのまま終わってしまってはもったいないので、「感動→行動」の流れをデザインしておきましょう。
作り方のコツ③ データ分析と継続改善
ショートドラマ広告も他のデジタル施策同様、公開後の効果測定とPDCAが重要。
投稿したプラットフォームの再生数や完了率、エンゲージメント率などを確認し、目標KPIに対する達成度をチェックし続けましょう。
特に前編後編ものの場合、前編視聴者の何割が後編まで見てくれたか(完結視聴率)などを分析すると、ストーリーの引きの強さを定量的に評価できます。
動画の“コメント”も絶対に見て欲しい指標です。
貴重なユーザーボイスなので、「どのキャラが人気か」「商品に対してどんな印象を持ったか」などフィードバックを次回企画に活かせます。
こうした継続的な改善を重ねることで、回を追うごとに完成度と効果を高めていくことが可能です。
単発で終わらせずシリーズ化や定期的な投入を視野に、中長期でファンを育てるコンテンツマーケティングとして取り組むのがおすすめです。
ショートドラマ広告の制作ならCAREARCへ
↑CAREARCが運営する代官山フィルム
弊社CAREARCでは数多くのショートドラマの映像制作を行っています。
構成からフルで受け付けることもあれば、企業様に合わせて動画の構成、撮影や編集のみ引き受けることも可能です。
企業様でショートドラマの制作に興味がある方は一度CAREARCへお問い合わせください。
ショートドラマ広告を活用して、顧客獲得強化に繋げてみて
今回はショートドラマ×広告という切り口で多くを解説してきました。
Tiktokが流行ったことにより、ショートドラマという新たなジャンルが生まれました。
Z世代の若者を初めとした世代に広がっているため、今から入ってみるのもおすすめです。
弊社CAREARCでは低コストでショートドラマの制作などを行っているため、興味がある方は一度ご連絡ください。
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