「企業がショートムービーをやる意味は?」
「ショートムービーの効果ってあるの?」
企業向けのPR手法の一つでショートムービー。
従来の動画よりも短尺であり、見やすいのが特徴です。近年では企業がプロモーションの一種で取り組むか検討しているとこも多いです。
そこで今記事ではショートムービーのメリットや導入事例、動画の作り方をご紹介します。
ショートムービーとは?どんな効果が期待がある?

「ショートムービー」とは企業がマーケティングに活用する短尺の動画コンテンツを指します。
一般的にはコーポレートサイトやYouTubeで公開する場合は約2分以内、SNS上で配信する場合は約1分以内に収まる長さの動画のことです。
短い時間で視聴者の心に残るメッセージを伝えられるため、商品・サービスに込めた想いや企業の理念を物語形式で表現し、視聴者の共感や感動を呼んでファンになってもらう効果が期待できます。
従来のテレビCMやWeb動画広告とは異なり、ショートムービーは視聴者が自ら選んで視聴するコンテンツです。
直接的に商品を売り込む広告はユーザーに敬遠されがちですが、ストーリー仕立てで間接的に企業イメージを伝えるショートムービーなら押し付けがましさを与えずに視聴してもらえることも。
ユーザーが能動的に再生を選択するため、拒否感なくメッセージを届けられる点がショートムービーの特徴と言えるでしょう。
企業でショートムービーを活用するケースが増えている

近年、TiktokやInstagram、YouTubeショートなど短尺動画プラットフォームの普及に伴い、企業によるショートムービー活用が急速に増加しています。
実際、ショート動画市場は急成長を続けており、多くのSNSがショート動画機能を次々導入しています。競争も激化する中で、クリエイターだけでなく企業もショート動画を活用する機会が増えているのです。
事実、この2年ほどでショート動画の月間投稿数は約10倍に増加し、企業タイアップ動画に占めるショート動画の割合も緩やかに上昇しています。
企業が2分尺ほどのショートドラマを作って、認知や購買の獲得を図っているケースも多いです。
まさに企業マーケティングにおけるショートムービーの重要度が飛躍的に高まっているといえるでしょう。
企業がショートムービーを導入する理由とは?ショート動画をPRに使う

企業がここまでショートムービーに注目し導入を進めている背景には、マーケティングを取り巻くユーザー行動の変化と市場環境のトレンドがあります
ここでは簡単に企業がショートムービーを導入する理由について解説します。
あからさまなCMは距離を置かれるため
テレビやYouTubeなどのCMは、今の世代の人にとっては訴求効果が低くなる傾向に。
YouTubeでは5秒経ったらスキップしたいと、受動的な広告は邪魔なものとなっています。
ショートムービーでは能動的に見ることが主となるため、商品やサービスに対しても見終わった後に嫌な気持ちというのが残りにくい傾向にあります。
ユーザーの嗜好が変わり、タイパ志向になったため
現代の消費者は情報過多の環境で生活しており、「短時間で効率よく情報や娯楽を得たい」というニーズが高まっています。
スマートフォンで手軽に視聴できる短い動画コンテンツは、このニーズにマッチしており、スピーディーかつ高いエンゲージメントを提供できるメディアとして人気が急上昇しました
人気のプラットフォームがショートムービーを取り扱っているため
TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなど縦型短尺動画のプラットフォームが台頭し、莫大なユーザー数を抱えるようになりました。
例えばTikTokは世界で約15億6千万ものユーザーを持ち、日本国内でも月間2,700万人以上が利用しています。
しかもTikTokではフォロワー数に関係なく動画が「おすすめ」フィードで拡散されやすい仕組みがあり、フォロワー以外の新規ユーザーにもリーチしやすいのが特徴です。
過去日本では企業が広告を出すとなったら、国民の多くが見ているテレビや新聞などに広告を出すしかありませんでした。
今ではその媒体よりも多くの認知が獲得できるショートムービーに企業が舵を取りだしているのです。
低コストでショートムービーを作れる
短い動画であれば長尺動画に比べて企画・撮影・編集の負担が小さい場合が多く、社内リソースでも気軽に制作・発信できる点も魅力です。
縦型のショートムービーを配信する時には、iPhoneなどのスマホで撮影ができるほどの手軽さです。
高度な編集テクニックや特別な機材がなくてもスマホ一つで始められる手軽さが、企業によるショートムービー参入のハードルを下げています。
ショートムービーのマーケティング効果の高さ
ショートムービーはマーケティング施策として効果が高いことが各種調査で報告されています。
実際、短尺動画は全ての動画フォーマットの中でROI(投資対効果)が最も高く、リード獲得やエンゲージメントの面でもトップであると報告されています。
近年ではショートムービーのマーケターや制作会社も増えてきており、それだけ企業のニーズが多いこともわかります。
企業がショートムービーを導入するメリット。会社にとっての良い点とは

ショートムービーを入れようか悩んでいる方に企業が作った時のメリットについて詳しく説明していきます。
【目次】企業がショートムービーを導入するメリット▼
ブランドの信頼感・好感度向上
ストーリー仕立てのショート動画で間接的に企業のメッセージを伝えることも可能。押し付け感なく視聴者に企業の価値観を届けられます。
CMだと15秒が一般ですがその4倍以上の尺で届けられるのもポイント。
ユーザーが自発的に視聴するコンテンツであるぶん心に響きやすく、結果としてブランドに対する信頼感や好感度を高められるのがショートムービー最大のメリットです。
高エンゲージメント・高ROIで費用対効果が良い
ショート動画はユーザーの興味を引きつけやすく、視聴完了率や反応率が高い傾向にあります。
1分〜2分という短尺であることと、ユーザーが能動的に見るため、動画の内容が入ってきやすい傾向に。
そのため多くのマーケターが「最も費用対効果が高い動画フォーマット」と評価しており、実際にリード獲得やエンゲージメント向上で大きな成果を上げています。
10代〜20代の若年層へのリーチが可能
特に10〜20代の若年層ユーザーは、ショート動画プラットフォームに多く集まっています。
テレビ離れが進む中、TikTokやYouTubeショートで動画を見る習慣を持つ若者にアプローチするにはショートムービーが効果的です。
またバズを生み出すことができれば、長い間若い年齢層にリーチすることが可能に。
SNS上で人気クリエイターとコラボしたり、トレンドのハッシュタグを活用することで、これまでリーチできなかった層にも効率よくブランドメッセージを届けることができます。
低コストと複数動画の作成が可能
ショートムービーはなんといっても低予算で作成できるのがポイント。
短い動画であれば撮影や編集にかかる時間・コストを抑えられるため、頻繁に発信しやすい利点があります。
凝った映像制作に予算を割けない企業でも、スマートフォンと無料の編集アプリ等を使って内製で十分クオリティの高い動画を作成可能なのは大きなメリットです。
競合他社に対する大きなアドバンテージとなるでしょう。
企業ショートムービーの7つの事例。縦型や横型で効果があった成功事例

実際にショートムービーを活用して成果を上げている企業の例を、業界別に見てみましょう。
国内外で話題になった事例を知ることで、自社で取り組む際のヒントが得られるはずです。
サイボウズ「アリキリ」:IT業界
グループウェアを提供するIT企業のサイボウズは、自社の企業メッセージを伝えるためのショートアニメーション『アリキリ』を制作し、特設サイトで公開。
4話に続くショートムービーで1話見てしまうと全て見てしまう中毒性のあるショート動画です。
働き方改革をテーマに「アリとキリギリス(蟻と螽斯)」のキャラクターを通じて、職場の課題をユーモラスに描いた内容が共感を呼び、SNS上で大きな反響を巻き起こしました。
この施策により、「働き方改革に積極的な革新的企業」というサイボウズのブランディング強化に成功しています。
積水ハウス「ベース」:建築業界
ハウスメーカー大手の「積水ハウス」の斬新的なショートムービー。
ベースを買いたいけど、何を買えばいいか女の子にベース売ってあげ内容ですが…住宅の会社にも関わらず、住宅の訴求が一切ありません。
「家に帰れば、積水ハウス」というテロップが1秒だけで、安くないからこそ振り切っている内容です。最後の音楽がベースで弾かれたりと、積水ハウスのこだわりが伝わるような動画となります。
SMRJ「社畜ミュージアム」:IT業界
中小企業基盤整備機構(SMRJ)は、自社のミッションである「働く人をもっと笑顔に」「日本の中小企業を支えたい」という思いをユニークに発信するため、ショートムービー『社畜ミュージアム』を制作しました。
約1分52秒の映像で残業続きの社畜社員の悲哀を美術館の展示品に見立てて表現し、思わずクスッと苦笑してしまう内容が働く人々の共感を集めています。
直接の商品PRではなく企業理念の発信ですが、視聴者の心に刺さるストーリーによって「ぜひ話を聞いてみたい」と感じた企業や個人からSMRJへの問い合わせ増加につながりました。ユーモアとメッセージ性を両立させた成功例と言えるでしょう。
大塚製薬「ファイブミニ」:飲食業界
食物繊維飲料のファイブミニは元々30代以上の女性を主要ターゲットした製品です。
近年TikTok上で「ダイエットや便秘解消によい飲み物」と紹介するユーザー投稿が拡散され、若年層に認知が一気に拡大。
インフルエンサーの起用やキャンペーン施策に工夫を凝らした結果、新たな若年層ユーザーの購入につながり、ロングセラー商品に第二のブームをもたらすことに成功しました。
サントリー「ビアボール」:飲食業界
サントリーが2022年に発売した炭酸割り専用ウイスキーのビアボールは、TikTokとの相性が高いプロモーション戦略でヒットしました。
人気TikTokクリエイターやインフルエンサーを起用し、TikTok上で次々に動画を公開することで商品の認知を高めています。
ビアボールは自分で割って作る飲料という特性上、ユーザー各々が独自のアレンジや飲み方を考案して投稿する楽しみがある点もバズった理由です。
こうしたUGC(ユーザー生成コンテンツ)を巻き込みながらTikTok上で話題となり、発売当初から大きな注目を集めました。
大村市 移住・定住推進PR:市町村
大村市の移住を訴求した長崎県大村市のショートムービー。
登場する女の子が大村市が大嫌い!というまさかの発言から、最後には嫌いというのは好きの裏返しというのがわかるショートドラマです。
移住を目的にしており、YouTubeでも10万回以上の再生数があるため、名前だけでも知られる効果があった良い事例となります。
大成建設 シンガポール篇:建築業界
一時期CMでも流れており、YouTubeでも60万回再生された大成建設のショートムービー。
「君の名は。」を作った新海誠監督、ナレーションに長澤まさみさんと豪華な布陣で作られており、それに見合うだけのヒットを呼んでいます。
シンガポールで本気で仕事に打ち込んでいるからこそ、同窓会にいけないという前向きな回答を得られる動画です。
お金はかかってはいますが、多くの人に見られるような作品の一つとなっています。
ショートムービーの作り方のコツ。企業がショート動画を作る時の流れ

自社でショートムービー制作に取り組む際に押さえておきたいポイントを、企画・撮影・編集・拡散の工程別に解説します。
社内制作であっても、以下の点に注意することで、クオリティと効果を両立させた動画マーケティングが可能です。
【目次】ショートムービーの作り方のコツ▼
企画:目的とゴールを明確にする
ショートムービー作成で一番大事になってくるのが目的とゴールを明確に設定することです。
よくある目的は以下4つ。
- 企業ブランディング
- サービス認知
- 商品販促
- 人材採用
この目的によって伝えるべき内容や手法が変わってきます。
動画を作ることでどう会社にとって効果があるのかは初期の初期に設定しましょう。
また「なぜショートムービーで伝えるのか」を考え、他の手段より効果的と判断できる場合に絞ります
撮影:ユーザーが数秒で興味を持つ工夫をする
ショートムービーの撮影では最初の数秒で視聴者の興味を引く演出を心がけます。
特にSNS向けの縦型動画では、ユーザーはスワイプ一つですぐ離脱できてしまうため、冒頭で「おっ?」と思わせる映像やシーンを入れる工夫が欠かせません。
たとえばインパクトのある映像カットや意外性のあるシーンから始める、タイトルテロップで惹きつける、といった方法です。
また撮影クオリティにも注意しましょう。
スマホ撮影でも構いませんが、明るさや音声はクリアにし、手ブレがひどい映像は避けます。縦型か横型かは配信プラットフォームに合わせて選択します(TikTokやInstagramリールは9:16の縦動画が基本)。
限られた尺の中で映像が単調にならないよう、様々なアングルや場面転換を織り交ぜて撮影しておくと、後の編集で組み合わせの幅が広がります。
編集:最初の3秒に命を懸ける
編集段階ではテンポよく飽きさせない構成に仕上げるのが鉄則です。不要な間や冗長なシーンはバッサリ削り、伝えたい内容が短時間で伝わるようにします。
また動画冒頭の3秒は特に勝負所ですので、編集時に一番伝えたい魅力やサプライズを序盤に持ってくるよう再構成すると効果的です。
視聴者を引き込んでしまえば、最後まで見てもらえる可能性が高まるため、「最初が肝心」という意識しましょう。
また、テロップ(字幕)やBGM、効果音も積極的に活用してください。スマホで音声オフでも内容が理解できるよう字幕を入れることは必須ですし、軽快な音楽や効果音は動画の印象を強めてくれます。
最後にブランド名やサービス名の表示を忘れずに。物語性を重視するあまり肝心の企業名がわからない…では機会損失ですので、自然に盛り込む方法を工夫しましょう。
拡散・公開:各プラットフォームに合わせて適切な配信をする
完成したショートムービーは、最大限効果が出るように配信・拡散します。
まず主要なSNSプラットフォームへはマルチ投稿しましょう。同じ縦型短尺動画をTikTokだけでなくInstagramやYouTubeショートにも投稿することで、より多くのユーザーに届く可能性が高まります。
投稿の際には各プラットフォームで適切なハッシュタグを付け、キャプション文もターゲットに響くよう工夫します。
公開後はユーザーからのコメントへの返信や、「いいね」「シェア」の動向などコミュニケーションも怠らずに行います。
必要に応じて広告配信やインフルエンサーとのコラボも検討しましょう。例えばTikTokでは有料広告の活用や人気クリエイターとの提携によってさらに爆発的なリーチが期待できます。
また社内外で動画を共有し、自社の他メディア(公式サイトやメルマガ)でも紹介するなど、多面的に露出を図るとより効果的です。
公開後の再生回数やエンゲージメント率のデータを分析し、次回作の改善に活かすPDCAサイクルを回すこともお忘れなく。
ショートムービーの制作ならCAREARCへ
↑CAREARCが運営する代官山フィルム
弊社株式会社CAREARCではショートムービーの外注制作を行っております。
専門のチームがニーズを把握し、貴社に最適な動画つくりを行うため、気になる方はぜひお問い合わせしてください。
動画の構成だけ入ったり、撮影だけ入ったりと、様々な形に対応。予算も数万〜から相談させていただきます。
その他、採用動画や商品紹介動画、ショートドラマなど幅広い動画の制作を行っておりますので、一度ご連絡いただけたら幸いです。
ショートムービーで会社の魅力を伝えていきましょう
企業のマーケティングにおけるショートムービー活用について、導入の背景から成功事例、制作のポイントまで幅広く見てきました。
短尺動画の隆盛は一時的なブームではなく、ユーザーの嗜好変化とテクノロジーの進化に支えられた確固たるトレンドです。
実際、2025年のマーケティング動向でもショートフォーム動画とインフルエンサーマーケティングが最も高いROIを生み出す施策として挙げられており、この流れは今後も続くと予想されています。
縦型のショートドラマなど幅広く広がってるので、ぜひ一度制作をすることを検討してみてください。
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