医療法人やクリニックでIT導入補助金2025を活用!レセコンや電子カルテなどの補助額は?

医療法人におけるIT導入補助金2025の活用方法

IT導入補助金2025が申請できる医療法人の条件は?

レセコンや電子カルテの導入費用はいくら補助される?

医療法人やクリニック、薬局などで業務効率化のためにITツールを検討している方も多いでしょう。

本記事では、医療法人やクリニックなどで申請できるIT導入補助金2025の申請枠や補助金・補助率、申請手順などを徹底解説します。

また、申請時の料金シミュレーションやIT導入補助金2025を活用してITツールを導入するメリットなどもまとめているため、ぜひ参考にしてください。

医療法人やクリニックにおけるDXの課題や現状は?

医療法人の課題や現状

近年、医療法人やクリニック、中小規模の病院や薬局では、業務の効率化や情報管理の高度化を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が急速に高まっています。

一方で、現場では次のような課題が顕在化しています。

・電子カルテやレセコン(レセプトコンピュータ)の導入が進んでいない、または古いシステムを使い続けており、操作性や連携面に課題がある
・アナログ業務が多く、紙ベースの記録や請求処理に時間がかかる
・IT人材が不足しており、システム導入や管理に不安がある
・非営利法人や小規模な医療機関では、システム導入にかかる初期費用の負担が大きく、DX化が進みにくい

こうした課題を解消し、より良い医療サービスを提供するための手段として注目されているのがIT導入補助金です。

この制度を活用すれば、電子カルテやレセコンといった医療用ITツールの導入費用の一部が補助対象となり、経済的なハードルを下げながらDXを進めることができます。

医療法人やクリニックでIT導入補助金2025の対象となるITツールは?

医療法人におけるIT導入補助金2025の対象ツール

IT導入補助金2025では、医療法人やクリニック、病院、薬局などの医療機関が導入するさまざまな業務支援ツールが補助対象となります。

診療や請求に関わるものから、受付・在庫・勤怠といったバックオフィス業務まで、幅広い分野のITツールが補助を受けられます。

ここでは、実際に補助金の対象となっている代表的なツールと導入メリットをまとめているため、ぜひ参考にしてください。

電子カルテ

電子カルテは、患者の診療記録、検査結果、処方履歴などをデジタルで一元管理できるシステムです。

従来の紙カルテに比べて、検索性や可読性に優れ、他の医療スタッフとの情報共有もスムーズになります。

医療ミスの防止や業務効率の向上といった面でも導入効果が高く、DX推進の中心的なツールといえるでしょう。

IT導入補助金2025では、「セコム・ユビキタス電子カルテ」「電子カルテシステムWith」「ペトレルプラス」など、多くの電子カルテシステムが補助対象として登録されています。

レセコン(レセプトコンピュータ)

レセコンは、保険診療における診療報酬請求(レセプト業務)を自動化するシステムです。

複雑な保険点数計算や入力ミスを防ぐ機能が備わっており、事務作業の負担を大幅に軽減します。

特に電子カルテと連携することで、診療から請求までを一貫して管理できるようになります。

補助金対象ツールには、「ORCA」「MAPs for CLINIC」などがあります。

予約・受付システム

予約・受付システムは、オンライン予約の受付、来院時の自動受付、再来受付管理などを通じて、患者の利便性を高めながら受付業務を効率化するツールです。

待ち時間の短縮や院内の混雑緩和にもつながるため、患者満足度の向上にもつながります。

補助対象としては、「ドクターキューブ」「RESERVA」などのシステムが登録されています。

オンライン診療システム

オンライン診療システムは、患者が自宅などからビデオ通話で診療を受けられる仕組みを提供します。

問診票の事前送信、診療内容の記録、処方箋の発行といった一連の流れをオンラインで完結できるため、通院が困難な患者や感染症予防への対応策として有効です。

代表的な補助対象ツールには、「デジスマ診療」などがあります。

在庫管理・物品発注システム

医療機関では、薬品や消耗品など多種多様な物品を日常的に使用するため、在庫管理の効率化は重要なテーマです。

在庫管理システムを導入すれば、使用量の可視化、発注の自動化、棚卸作業の簡素化などが可能になり、経費削減にもつながります

補助金の対象としては、「スマートマットクラウド」「MICS」「zaico」などがあります。

勤怠管理システム

医療現場では、スタッフの勤務状況やシフトの管理も煩雑になりがちです。

勤怠管理システムを導入すれば、出退勤の自動記録、シフト作成、有休や残業の管理を一元化でき、労務リスクの軽減や働き方改革の実現にもつながります

また、会計ソフトとの連携によって給与計算も効率化できます。

IT導入補助金の対象ツールとしては、「KING OF TIME」「ジョブカン」「freee人事労務」などが登録されています。

IT導入補助金2025が活用できる医療法人やクリニックの対象条件

IT導入補助金2025が活用できる医療法人の条件

IT導入補助金2025は、すべての事業者が申請できるわけではなく、中小企業基本法に基づいた「中小企業・小規模事業者等」であることが条件となります。

医療分野においては、医療法人、クリニック、病院、薬局などが対象業種に含まれており、従業員数の上限にも注意が必要です。

以下、医療機関における対象条件

業種従業員
医療法人300人以下

この条件を満たしていれば、IT導入補助金の申請が可能です。なお、従業員にはパート・アルバイトを含む場合があるため、申請前に正確な人数の確認をしておきましょう。

また、非営利法人であっても、一定の事業活動を行っていれば対象となるケースもあるため、まずは制度要件を確認したうえで導入支援事業者に相談するのが確実です。

医療法人やクリニックのIT導入補助金2025の申請枠!補助率や補助額など紹介

医療法人におけるIT導入補助金2025の申請枠

IT導入補助金2025には複数の申請枠が設けられており、医療法人やクリニックをはじめとする医療機関も、目的や導入ツールに応じて最適な枠を選ぶことができます。

主に活用されるのは、以下の申請枠です。

通常枠
インボイス対応類型

通常枠は電子カルテやレセコンなど、医療業務の効率化を目的としたITツールの導入に活用される一方、インボイス対応類型は、インボイス制度対応に必要な会計・受発注管理ツールの導入を対象としています。

ここでは、それぞれの申請枠の特徴や補助率、補助対象経費について解説します。

通常枠:医療法人に特化したITツール申請

項目通常枠A類型通常枠B類型
補助率1/2〜2/3
補助額5~150万円未満150~450万円以下
必要プロセス1つ以上4つ以上
賃上げ目標加点必須
対象経費・ソフトウェア
ソフトウェアの「購入費」「クラウド利用費(最大2年分)」
・オプション
・導入関連費

通常枠は、業務効率化やDX推進を目的としたITツールの導入全般を対象とする申請枠であり、医療法人・クリニックが電子カルテ、レセコン、予約システム、在庫管理システムなどを導入する際に活用できます。

申請金額に応じて補助率は1/2〜2/3、補助額は5万円〜450万円未満。小規模クリニックや薬局でも利用しやすい申請枠です。

インボイス対応類型:医療法人で会計や受発注ソフトを申請

項目インボイス対応類型
補助額・補助率会計・受発注・決済ソフト【小規模事業者】
・50万円以下:4/5
・50〜350万円以下:2/3
【中小企業者】
・50万円以下:3/4
・50〜350万円以下:2/3
※50万円以下は1機能、50〜350万円は2機能以上を有するのが必須
PCやタブレット・10万円以下:1/2
レジや販売機・20万円以下:1/2
対象経費・ソフトウェア
会計・受発注・決済ソフトウェアの「購入費」「クラウド利用費(最大2年分)」
・オプション
・導入関連費
・ハードウェア

2023年から本格運用が始まったインボイス制度に対応するための「会計ソフト・決済ソフト・受発注ソフト」の導入を支援するのがインボイス対応類型です。

医療法人でも、バックオフィスの請求処理や仕入れ業務などにおいて、会計処理の電子化や取引記録の保存対応が求められるようになっています。

補助率は最大4/5、補助額は5万円〜350万円未満で、パソコンやタブレットなどのハードウェアも対象になっているのが特徴です。

医療法人やクリニックなどでIT導入補助金を活用した料金シミュレーション

医療法人におけるIT導入補助金2025の申請シミュレーション

IT導入補助金2025を活用すれば、医療機関でのITツール導入にかかるコストを大幅に抑えることが可能です。

ここでは、医療法人・クリニック・病院・薬局それぞれのケースで、補助金を活用した具体的な料金シミュレーションを紹介します。

自院に近い事例を参考に、導入コストのイメージをつかんでください。

※以下、製品の価格は使用状況等によって異なるケースがあるため、目安としてご覧ください。

①医療法人のシミュレーション

通常枠での申請(補助率50%)

項目金額
セコム・ユビキタス電子カルテ350,000円
MAPs for CLINIC960,000円/2年間
ドクターキューブ500,000円/2年間
KING OF TIME288,000円/2年間
導入サポート600,000円
保守サポート600,000円
合計の申請額3,298,000円
合計の補助額1,649,000円
実費1,649,000円

②クリニックのシミュレーション

通常枠での申請(補助率50%)

項目金額
電子カルテシステムWith2,778,000円
日医標準レセプトソフト WebORCAクラウド版52,800円/2年間
RESERVA92,400円/2年間
導入サポート600,000円
保守サポート500,000円
合計の申請額4,023,200円
合計の補助額2,011,600円
実費2,011,600円

③病院のシミュレーション

通常枠での申請(補助率50%)

項目金額
MAPs for CLINIC720,000円/2年間
ジョブカン勤怠管理52,800円/2年間
MICS/Gaia120,800円/2年間
導入サポート300,000円
保守サポート300,000円
合計の申請額1,493,600円
合計の補助額746,800円
実費746,800円

④薬局のシミュレーション

インボイス対応類型での申請(補助率50〜80%)

項目金額
freee会計 スタンダード215,520円/2年間
スマートマットクラウド800,000円/2年間
導入サポート500,000円
保守サポート500,000円
パソコン購入200,000円
ソフトウェアや導入関連費の補助額1,427,013円
パソコンの補助額100,000円
合計の申請額2,215,520円
合計の補助額1,527,013円
実費688,507円

医療法人やクリニックでIT導入補助金2025を申請する手順

STEP
gBizIDプライムアカウントの取得(1〜2週間程度)

補助金申請には、gBizIDプライムアカウントが必須です。

マイナンバーカードや印鑑証明書を用いた本人確認を経て申請します。取得には即日〜約2週間程度かかるため、早めの準備が重要です。

STEP
SECURITY ACTIONの宣言(即日〜)

情報セキュリティ対策を宣言する「SECURITY ACTION(一つ星以上)」への登録が必要です。これはオンラインで即日登録が可能です。

STEP
IT導入支援事業者・ツールの選定(数日〜)

IT導入補助金の申請には、認定を受けたIT導入支援事業者を通して行う必要があります。

導入を希望する「電子カルテ」や「レセコン」などのITツールが、事業者の登録済みツールであるか確認しましょう。

STEP
申請書類の作成と提出(申請受付期間に応じて)

IT導入支援事業者と相談しながら、申請に必要な情報をもとにオンラインで申請します。

法人情報、導入予定のITツール、費用内訳、事業計画などを入力します。

STEP
交付決定と契約・導入開始(交付決定までは2〜3週間程度)

審査を経て交付が決定すると、ITツールの契約・導入が可能になります。

交付決定前に契約・支払いを行うと補助金の対象外となるため要注意です。

STEP
導入完了後の実績報告(導入完了から1ヶ月以内が目安)

導入が完了したら、実績報告を行います。ツールの導入証憑、支払い証明、導入後の実施状況などを提出します。

STEP
補助金の受け取り(実績確認後に入金)

提出した実績が認められると、指定の銀行口座に補助金が振り込まれます。

事務局の審査や交付決定までの期間によって多少差は出ますが、3〜7ヶ月程度を見込んでおくと安心です。

IT導入補助金2025を活用して医療法人やクリニックでITツールを導入するメリット

医療法人におけるIT導入補助金2025の活用メリット

IT導入補助金2025を活用することで、医療法人やクリニック、病院、薬局などの医療機関には以下のようなメリットがあります。

・導入費用の最大4/5が補助される(申請枠や額などによって変わる)
・電子カルテやレセコンといった高額な基幹システムも導入しやすくなる
・人的ミスや事務作業を削減し、業務効率を大幅に改善できる
・患者対応の質が向上し、サービス満足度の向上にもつながる
・国の補助制度を活用することで財務負担を抑えつつDXを加速できる
・オンライン診療やクラウド活用など、将来の診療スタイルへの対応力が高まる
・非営利法人でも活用可能なため、幅広い医療機関にとって導入のチャンスとなる

IT導入補助金2025は、単なるコスト支援にとどまらず、医療現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の大きな後押しとなります。

人手不足や業務過多といった現場の悩みを解消し、医療の質と経営の両面を支える手段として活用できます。

まとめ

IT導入補助金2025は、電子カルテやレセコンをはじめ、予約管理・オンライン診療・在庫・勤怠まで、医療法人やクリニックで活用できるITツールの導入支援が可能です。ただし、公式にてITツールの登録をしているソフトに限るため、事前に確認しておきましょう。

基本的には、通常枠・インボイス対応類型での申請となり、補助額や補助率は異なります

自院が対象なのか?導入したいITツールは申請できるのか?などについては、IT導入支援事業者に確認しつつ、申請を進めましょう。

弊社は2020年度から支援事業者として申請サポートを行ってきました。2024年度の採択率は「通常枠約93%」「インボイス対応類型約94%」です。

さまざまなITツールに対応しているため、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社CAREARCのクリエーターズチームが執筆しています。WEB制作や動画制作時に役立つ情報を中心に発信しています。