IT導入補助金2022からパソコン購入も対象になったため、この機会に補助金を活用してパソコンの購入を考えている個人事業主の方や会社の担当者の方もいるでしょう。パソコン購入費に充てられる補助金は、IT導入補助金2023のなかのデジタル化基盤導入類型なので、本記事ではこちらの補助金の概要や申請の流れ、パソコン購入の際の注意点などについて解説します。
IT導入補助金は個人事業主・法人問わず活用できるので、ぜひ本記事を参考にしてデジタル化基盤導入類型の申請手順を押さえ、パソコン購入や本記事で紹介しているその他必要になるものがあればに活用してください。
IT導入補助金2022からパソコン購入も対象
IT導入補助金でノートパソコン・デスクトップPCのパソコン代の補助を受ける場合、デジタル化基盤導入類型の申請をおこないます。デジタル化基盤導入類型は2022年度に新設された枠であり、補助上限額は10万円で補助率は購入代の1/2以内、対象となるのは中小企業者等や小規模事業者等です。ITツール使用に資するパソコンが補助の対象となりますが、パソコンだけでなくiPadのようなタブレット端末の購入代も補助の対象になります。
デジタル化基盤導入類型は基本的に会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトなどのソフトウェアの購入代金を補助する補助金であり、パソコンなどのハードウェアの申請だけでは補助金を受けることができません。そのためデジタル化基盤導入類型に申請する場合には、先に挙げたソフトウェアと合わせてパソコンを購入する必要があります。
PC以外のハードウェアも補助対象!
購入するソフトウェアに関連するものであれば、パソコン以外のハードウェアも購入することが可能です。具体例としては、タブレット・プリンター・スキャナーおよびそれらの複合機、 POSレジ・券券機などがあげられます。
補助上限額はPC・タブレットとその他のハードウェアで別に設定されており、PC・タブレットは補助上限額10万円、その他のハードウェアは補助上限額20万円です。たとえば売上や販売情報収集のためにPOSシステムを導入するにあたってPOSレジの導入も検討する場合には、POSレジの購入についてもIT導入補助金の申請を検討してもよいでしょう。
IT導入補助金2023 デジタル化基盤導入枠とは?
IT導入補助金とはどのような補助金制度なのか、その概要や申請の流れについて解説します。
デジタル化基盤導入枠の概要
項目 | ITツール | PC・タブレット | レジ・発券機 |
---|---|---|---|
補助額 | (下限なし)~350万円 | 補助上限額10万円 | 補助上限額20万円 |
補助率 | 2/3以内(~50万円以下は3/4以内) | 1/2以内 | 1/2以内 |
機能要件 | 会計・受発注・決済・EC | ||
賃上げ目標 | なし | ||
採択率(2022年) | 82.60% | ||
対象ツール | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト |
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者に対してITツールを用いた業務効率化の支援を目的とし、ITツールに関する投資の一部を負担する補助金のことです。
補助の対象となるのはITツールの使用にかかる費用についてであり、業務プロセスをIT化するためのパッケージソフトやクラウドサービスの導入、初期費用などのかかる費用などです。IT導入補助金はソフトウェアだけでなくハードウェアも補助の対象となり、今回紹介するパソコンの他にもiPadなどのタブレットやスキャナー、プリンター、複合機などのハードウェアも補助の対象となります。
IT導入補助金にはいくつかの申請枠がありますが、パソコンを購入する際に選択する枠はデジタル化基盤導入枠であり、本枠の上限額はPC・タブレットそれぞれ10万円です。
デジタル化基盤導入枠の対象事業者
業種・組織形態 | 資本金(資本の額又は出資の総額) | 従業員(常勤) |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外その他の法人) | 3億円 | 300人 |
医療法人、社会福祉法人、学校法人 | – | 300人 |
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 | – | 100人 |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特定非営利活動法人 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
IT導入補助金の対象事業者は中小企業等および小規模事業者等です。ただし中小企業であっても発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している場合や発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している場合には、IT導入補助金の交付を受けられません。
中小企業等・小規模事業者等は業種・組織形態ごとに資本金、従業員が定められており、それぞれ要件が定められているので、自社が対象事業者であるかどうかを確認するには一度IT導入補助金のホームページで対象事業者の一覧を確認してみてください。
デジタル化基盤導入枠の申請手順7ステップ
IT導入補助金の申請手順を大まかにまとめると、以下のような流れです。
①ITツールの選定
②IT導入支援事業者の選定
③gBizIDプライムアカウントの取得
④交付申請書・添付書類の提出
⑤ITツールの導入
⑥事業の実績報告
⑦補助金の受け取り
まずは自社に導入するITツールを選択し、それに合わせてIT導入支援事業者を選定します。続いてgBizIDプライムアカウントの取得しますが、これは行政サービス利用のために発行するIDであり、アカウントを持っていない場合にはここで作成してIDを取得しましょう。
申請書類として法人の場合は履歴事項全部証明書と法人税の納税証明書、個人の場合は 運転免許証または住民票、所得税の納税証明書、確定申告書Bの控えが必要です。そして申請が完了してITツールを導入したら事業の実績報告をおこない、最後に補助金を受け取ることができます。
①ITツールの選定前に、②支援事業者に相談してみるのも一つの手です。こんなものも申請できるんだと、自社・個人で考えているものとは別の視点で提案してくれるケースもあるので活用してみてください。
IT導入補助金2023 デジタル化基盤導入枠のスケジュール
2023年4月20時点でのスケジュールをまとめています。随時最新情報を更新していきますので、チェックしてみてください。
デジタル化基盤導入類型 | 締切日 | 交付決定日 | 事業実施期間 | 事業実績報告期限 |
---|---|---|---|---|
1次締切分 | 2023年4月25日(火)17:00 | 2023年5月31日(水) | 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 | 2023年11月30日(木)17:00 |
2次締切分 | 2023年5月16日(火)17:00 | 2023年6月21日(水) | 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 | 2023年11月30日(木)17:00 |
3次締切分 | 2023年6月2日(金)17:00 | 2023年7月11日(火) | 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 | 2023年11月30日(木)17:00 |
4次締切分 | 2023年6月20日(火)17:00 | 2023年8月1日(火) | 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 | 2023年11月30日(木)17:00 |
5次締切分 | 2023年7月10日(月)17:00 | 2023年8月22日(火) | 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 | 2023年11月30日(木)17:00 |
6次締切分 | 2023年7月31日(月)17:00 | 2023年9月12日(火) | 交付決定~2023年11月30日(木)17:00 | 2023年11月30日(木)17:00 |
7次締切分 | 2023年8月28日 (月) 17:00 | 2023年10月12日 (木) | 交付決定~2024年3月29日 (金) 17:00 | 2024年3月29日 (金) 17:00 |
8次締切分 | 2023年9月11日 (月) 17:00 | 2023年10月24日 (火) | 交付決定~2024年4月30日 (火) 17:00 | 2024年4月30日 (火) 17:00 |
9次締切分 | 2023年10月2日 (月) 17:00 | 2023年11月6日 (月) | 交付決定~2024年4月30日 (火) 17:00 | 2024年4月30日 (火) 17:00 |
10次締切分 | 2023年10月16日 (月) 17:00 | 2023年11月20日 (月) | 交付決定~2024年5月31日 (金) 17:00 | 2024年5月31日 (金) 17:00 |
11次締切分 | 2023年10月30日 (月) 17:00 | 2023年12月4日 (月) | 交付決定~2024年5月31日 (金) 17:00 | 2024年5月31日 (金) 17:00 |
12次締切分 | 2023年11月13日 (月) 17:00 | 2023年12月18日 (月) | 交付決定~2024年6月28日 (金) 17:00 | 2024年6月28日 (金) 17:00 |
IT導入補助金でパソコンを購入する際の注意点
IT導入補助金でパソコンを購入する際は、以下のような注意点があります。
・まずは対象事業者はどうか確認する
・デジタル化基盤導入類型で申請する
・PC・ソフトウェアのセットで申請する
・PCの販売先がIT導入支援事業者か確認する
・交付後にPCやハードウェアを購入する
まずは対象事業者かどうか確認する
IT導入補助金を受ける際は、導入するITツールを選んでからIT支援事業者を選定するという流れなので、ノートパソコンなどのパソコンを購入する際は購入先がIT支援事業者であるかどうかを確認しましょう。パソコンを購入すればどんな場合でも補助金を受けられるという訳ではないので、この点は注意してきちんと支援事業者から購入するようにしてください。
デジタル化基盤導入枠で申請する
IT導入補助金にはいくつかの申請枠がありますが、デジタル化基盤導入類型で申請しなければパソコンの購入代金の補助が受けられません。IT導入補助金にはほかにも通常枠、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠などがあり、それぞれ対象となる事業者や上限額なども異なるので、誤って申請しないよう注意してください。
PC・ソフトウェアのセットで申請する
先ほども少し触れましたが、デジタル化基盤導入類型は基本的に会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトなどのソフトウェアの購入代金を補助する補助金であり、パソコンのようなハードウェアのみ申請しても補助金を受けることができません。そのためデジタル化基盤導入類型の申請をする際は、PC・ソフトウェアのセットで申請してください。
パソコンの購入は何らかの目的があってする必要がありますが、たとえば会計業務の効率化のために会計ソフトを導入するにあたって現在使用しているノートパソコンではスペックが足りなかったとします。その際は会計ソフトとともに十分な機能を備えた新しいノートパソコンを購入する必要があるため、こういった場合のパソコン購入代金としてデジタル化基盤導入類型の申請が可能でしょう。
PCの販売先がIT導入支援事業者か確認する
こちらも先ほど触れた内容ですが、IT導入補助金を受けるためにはIT導入支援事業者である販売元からPCを購入しなければなりません。それ以外の販売元から購入したPCでは補助金を受けることができないので、注意してください。
IT導入支援事業者は複数ありますが、IT導入補助金を受ける際の手続きや申請のサポートをしてくれる事業者もあります。そのためどのIT導入支援事業者を選ぶかで採択率も変わるので、支援事業者を選ぶ際はIT導入補助金に詳しいか、手厚いサポートをしてくれるかといった観点で選ぶのがおすすめです。
交付後にPCやハードウェアを購入する
IT導入補助金を申請する流れは、申請後に事務局から交付決定を受けてからパソコンを購入し、 事業実績報告を提出したあとで補助金が振り込まれるという流れです。そのため交付決定の前にPCやハードウェアを購入してしまうと補助金を受けることができません。
また補助金の支給は 事業実績報告をしてからになるため後払いなので、まずは自費で購入する必要があります。そのため補助金を受けるまでは購入代金を建て替えておく必要があるためこの点も留意しておきましょう。
IT導入補助金2023でPC購入する際によくある質問
IT導入補助金2023でPC購入する際によくある質問をまとめました。
・個人事業主でも申請できる?
・PC購入費用の上限はある?
・iPadも購入できる?
以上の質問に対する回答を紹介するので、参考にしてください。
個人事業主でも申請できる?
IT導入補助金は個人事業主でも申請可能です。個人事業主と法人で審査基準が変わるわけでもないので、個人事業主の方も安心して申請できます。
ただし個人事業主の申請には納税証明書が必要であり、開業から間もなく一度も決算・確定申告をしておらず証明書が発行できないと、IT導入補助金の申請はできません。
PC購入費用の上限はある?
PC購入費用の補助上限額は10万円であり、補助率は購入代の1/2以内です。つまり10万円のPCを購入した場合でも最大で5万円の補助が受けられるということであり、購入代金がすべて補助されるわけではないので、この点は注意してください。
iPadも購入できる?
PC・タブレット等のハードウェアにかかる購入費用も補助対象なので、IT導入補助金を使ってiPadを購入することもできます。ただしパソコンと同じくiPadものみで申請しても補助金を受けることはできないので、申請の際はソフトウェアとセットで申請をおこなう必要があります。
パソコン購入ができるその他の補助金
IT導入補助金のデジタル化基盤導入類型について説明してきましたが、パソコン購入ができるその他の補助金についてもいくつか紹介します。
・東京都テレワーク促進助成金
・テレワーク推進強化奨励金
・中小企業デジタル化推進支援補助金
・働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
・東京都創業助成事業
東京都テレワーク促進助成金は、都内の中小企業等が在宅勤務を促進するための環境整備に活用できる助成金であり、パソコンの購入代金に対して補助を受けられます。助成金は150~250万円なので、人数の少ない事業者であれば社員全員のパソコンを揃えることも可能でしょう。
テレワーク推進強化奨励金もテレワーク関係の助成金ですが、こちらは東京都の「テレワーク推進リーダー」制度でテレワーク推進リーダーを設置した中小企業等が対象となる補助金です。に対し奨励金を支給する新たな支援を開始します。テレワーク実施人数および対象経費によって奨励金が支給され、上限50万円まで補助が受けられます。
ここで紹介したもの以外でも各自治体でおこなっている補助金があるかもしれないので、興味がある方は一度チェックしてみてください。
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IT導入補助金のデジタル化基盤導入類を活用すればパソコン購入のための補助金を受けることができますが、申請の仕方を誤ったりすると補助が受けられないので、本記事を参考にして正確に申請をおこないましょう。まずは自社が対象事業者に当たるかどうかを確認したうえで、申請手順に従って手続きを進めてください。
IT支援事業者について本文でも説明しましたが、本サイトを運営する株式会社CAREARCも支援事業者であり、IT導入補助金を申請する方のサポートが可能です。本記事を読んで不安なことがあり、申請をサポートしてほしい方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。
PC購入に関しての実績・経験も豊富で、2022年度の全体での採択率は「採択率87%」※でしたので、お気軽にお問合せください。
※「当社が規定した条件を満たした企業を対象に算出」